群馬県公立高校入試 英語 2017年 第5問 空所補充選択問題 過去問解説

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次の英文は,中学生の Taro が,オーストラリアにいる友人の Kate に送った電子メールの一部です。これを読んで,英文の意味が通るように,(ア) ~ (エ) に当てはまる単語を下の〔           〕内からそれぞれ選び,書きなさい。また,[A] に当てはまる単語を書きなさい。

Hi, Kate.

I was happy to (ア) an e-mail from you.
Today, I want to tell you about our school events. We have many school events, *such as *a chorus contest, a school festival, and a school trip.
Last week, we had a chorus contest. Every class practiced [A] for the contest.
The chorus contest is (イ) in our town. Every year, many people in our town come to see our contest and enjoy it. This year, about 200 people came to our contest. It was [A] for us to sing well *in front of many people, but we did our best. At the (ウ) of the contest, all the students sang our school song together. It was wonderful. Does your school have a chorus contest (エ) ours?

(注)
such as ~ ~のような
chorus contest 合唱コンクール
in front of ~ ~の前で

〔begin   end   famous   interested   like   receive   same   write〕

以下解説です。

(ア)
I was happy to (ア) an e-mail from you.

これは典型的な不定詞 (to do) の問題です。
受験生であれば「be happy to」の形をどこかで見たことがあるはずです。

「be happy to」の後ろには「動詞の原形」を続けていきます。

選択肢の中で動詞の原形として使える可能性があるのはbegin, end, like, receive, write です。

後ろを見ると an e-mail from you(あなたからのEメール)とあるので「Eメールをもらって嬉しい」と考えます。

従って,receive (受け取る)が正解です。

I was happy to receive an e-mail from you.
(あなたからEメールをもらってうれしかったです。)

be happy to do の構文は頻出なのでしっかりと覚えておくとよいです。以下図解しておきます。

 

be happy to do

happy は他の感情を表す形容詞に変えることができます。
・be happy to do: ~してうれしい
・be glad to do: ~してうれしい
・be sad to do: ~して悲しい
・be sorry to do: ~して残念だ
・be surprised to do: ~して驚いている

(イ)
The chorus contest is (イ) in our town.
Every year, many people in our town come to see our contest and enjoy it.

空所の前が is です。is は be動詞です。また,(イ) には1単語しか入れることはできません。
be動詞の後ろに置ける1単語は,名詞,形容詞,doing, done などです。
doing, done の形は選択肢にありません。名詞の end は文脈上無理そうです。
そこで,形容詞である famous, interested, same を以下検討します。

◇ 「be interested in: ~に興味がある」という熟語を覚えている受験生は多いと思います。
形だけを見ると interested を入れてしまいそうです。しかし,これでは意味と文脈がおかしいので,不正解です。

不正解:The chorus contest is interested in our town.
(合唱コンクールは私たちの町に興味がある)

◇ same も形容詞なので is の後ろに続けることはできますが,これは通常 the same の形で使われるので,same だけ単独で入れることはできなそうと考えます。

◇ 後ろの文を見ると,毎年たくさんの人がコンクールを見にくるとありますから,famous を入れれば文脈上適切になります。

正解:The chorus contest is famous in our town.
(合唱コンクールは私たちの町で有名です)

(ウ)
..., but we did our best. At the (ウ) of the contest, all the students sang our school song together.

the の後ろには名詞がきます。また,名詞の後ろに「前置詞 + 名詞」が続く形も多いです。従って,下記のような予測ができます。

≪重要≫ the → 名詞 ← of the contest

選択肢の中で名詞として使えるのは,end, same, like です。
・end: 最後
・the same: 同じ人(物)
・the like: 似た人(物)
名詞として使う場合,same と like は the をつけます。また,高校入試の範囲では same と like が名詞として使用される場面は少ないと思います。

後は文脈です。we did our best(私たちはベストを尽くした)とありますから,コンクールは終盤であると考えられます。

正解:At the end of the contest(コンクールの最後に)

(エ)
Does your school have a chorus contest (エ) ours?

空所の後ろにある ours に注目します。

we, our, us, ours の ours です。人称代名詞の変化は必修ですね。この ours の使い方を復習しましょう。

our cat (私たちの猫) = ours (私たちのもの)
our car (和たちの車) = ours (私たちのもの)
our book (私たちの本) = ours (私たちのもの)

つまり,our + 名詞 = ours として使用できます。
しかし,ours と言われると,それが猫なのか,車なのか,本なのかはわかりません。
どこから分かるかというと,文脈です。空所の前を見ると,a chorus contest (合唱コンクール)があります。これを受けています。つまり,ours = our contest です。

改めて,問題文を見てみます。
Does your school have a chorus contest (エ) ours?
(あなたの学校には私たちのコンクール(エ)合唱コンクールがありますか)

後は選択肢から意味が合いそうな単語を選びます。
ここでは,like (~のような)を入れれば正解です。
A like B (BのようなA)

正解:Does your school have a chorus contest like ours?
(あなたの学校には私たちのコンクールのような合唱コンクールがありますか)

◇ ここで使用した like は要注意の選択肢です。
動詞として使うと「~が好き」,前置詞として使うと「~のような」という意味になります。この2つの使い方を分かっているか,高校入試では本当によく問われます。

≪重要≫ like: 好き(動詞),~のような(前置詞)

以下例文を上げておきます。文の構造の違いをよく見ておいてください。
1) He likes his father. (彼は父親が好きだ)
⇒ 文型:S like O(S は Oが好き)
2) He is like his father. (彼は父親に似ている)
⇒ 文型:S be like O(S は Oに似ている)

[A]
Every class practiced [A] for the contest.
It was [A] for us to sing well in front of many people, but we did our best.

空所 [A] に共通する語句を入れる問題です。

Every class practiced [A] for the contest.
各クラスがコンクールのために [A] 練習した。
⇒ どんな風に練習したのか?
⇒ 文章後半で「全力を尽くした」と言っているから,一生懸命に練習したのだろう。
⇒ 「一生懸命に」だから hard

It was [A] for us to sing well in front of many people, but we did our best.
多くの人の前で上手に歌うのは,私たちにとって [A] だったが,全力を尽くした。
⇒ 多くの人の前で上手に歌うのは,一般的に難しいと予測できる。
⇒ 「難しい」だから difficult か hard

以上より,両方に共通して入れられるのは hard です。

≪まとめ≫
practice hard: 一生懸命に練習する
It is hard for (人) to do: (人)にとって~することが難しい
≒ It is difficult for (人) to do

【第5問 解答】
(ア)receive  (イ)famous  (ウ)end  (エ)like
[A] hard

 

≪補足発展:以下は上級者向けです≫
like が動詞(~が好き)として使用されているのか,前置詞(~のような)として使用されているのかを「論理的に」見分けるのは容易ではありません。
英文の構造を適切に理解している必要があります。普段から単語の意味だけを結び付けて英文の意味をなんとなく予測するような学習では辿りつけない場所があります。
英文法,特に文型と品詞を体系的に理解して初めて論理的に見分けられるようになります。

問題文の like はどうして動詞(~が好き)ではないのか端的に解説しておきます。
Does your school have a chorus contest like ours?

上記英文の本動詞は have です。そして,英文中に接続詞がありません。従って,本動詞は have ひとつだけということになります。だから,like は動詞ではなく前置詞(~のような)として使われていると考えます。

なぜ,have が本動詞と分かるのか,接続詞がないと本動詞が1つだけとはどういうことなのか。そういう疑問が湧いたかもしれません。それを理解するには,やはり,品詞と文型を体系的に学ぶ必要があります。

単語の意味だけを頼りに英語を理解することは難しいことです。英語の学習の初期の段階に,品詞と文型を体系的に学んでおくと,その後の伸びが全く違います。

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