『主語は「~は」と訳せる部分である』という説明がされる場合があります。
これに対して,『なぜ「~は」と訳せるのか?』と問うと,「主語だから」という回答が返ってくる場合があります。
『主語であること』と『「~は」と訳せること』がお互いの根拠になっており,論理の出発点が不明です。
ではどうすれば主語が明確になるでしょうか。
主語は「文の最初に出現する前置詞を伴わない名詞」です。そして主語だから「~は」と訳すことができます。
≪主語を捉える流れ≫
名詞 ⇒ 主語 ⇒ 「~は」
主語を決定するには,「文の最初に出現する前置詞を伴わない名詞」を見つければよいのです。
下記例文の主語を見つけてみましょう。
For most people, their friendships are a valuable and important part of who they are.
(センター試験 2017年度 英語 第6問 第1段落 第1文 より)
まず,先頭から名詞を探していきます。
最初の名詞は people,次に friendships が出てきます。
people は最初に出現する名詞ですが,for (前置詞)がついているので主語にはなれません。因みに most は people を修飾する形容詞です。
friendships についているのは their だけで,前置詞はありませんから,これが主語となります。
従って,For most people を「ほとんどの人は」と訳してはいけません。主語ではないからです。their friendships の方を「彼らの友情は」と訳します。
For most people ⇒ 主語ではない ⇒ ほとんどの人にとって
their friendships ⇒ 主語である ⇒ 彼らの友情は
≪重要≫
主語 = 文の最初に出現する前置詞を伴わない名詞
このルールが当てはまらない場合もあります。倒置が起こった場合や前置詞句そのものが主語になっている場合などです。しかし,まず基本の形を知っておくことが大切です。基本の形がわからなければ,例外も認識することができません。